患者さんを調子にのせよう!

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体験型スタッフ研修で行う「即興ロールプレイング」では、スタッフの皆さんの本当に素敵な「心を揺さぶる表現」に出会うことがあります。

 

先日、この患者インタビューのロールプレイングの振り返りで、患者さん役をしていたスタッフが「なんか、思わず、よろしくおねがいします!って言っちゃいました」という感想を言いました。

「説明が上手で・・・」とか「わかりやすくて・・・」といったもっともらしい理由なんかないけど、なんか気持ちがいい。見ていた周りのみんなも、思わず拍手をしたくなるような、これっていったい何なのでしょう?

ロールプレイで患者さんにインタビューをしたのは、経験の浅い新人スタッフで、話し方も決して流暢ではなく、マニュアル的にみたら突っ込みどころは満載でしたが、一生懸命さ、真摯さに周りが引き込まれ、その場に不思議な一体感が生まれたのが感じられました。

 

わざわざみんなが集まって研修を行う意味があるとしたら、人が人の表現に反応する時の感覚を自分の身体で感じること、それを仕事の仲間と一緒に体験することにあるかもしれません。

 

一緒に体験することで、患者さんの感覚を疑似体験することが出来ます。さらに、仲間同士の間にある「遠慮」とか「立場の違い」の壁を越えて、「(もっと良くするためには)こうしたらいいんじゃない?」突っ込みあえるようになります。

 

体験するときは、頭だけではなく身体も活躍しています。

身体に知性がある、というのは科学的にも実証されています。

コミュニケーション上達のコツは、身体の知性を意識して、使えるようになることです。

まず、相手が身体の知性を無意識に使っていることを理解する。

例えば前途の思わず言ってしまった「よろしくお願いします」は身体の知性が満開状態です。

 

私たちはよく「患者さんに説明して、納得してもらう」と言いますが、患者さんは私たちが思うほど、理解して納得しているのでしょうか。自分の理解と同じくらい相手も理解しているのでしょうか。それは難しいと思います。

だから、「体験」によって目覚める身体の知性に働きかけて、頭での理解を助けてもらうのはどうでしょう。

 

瞬発力のある身体の知性は、持続力のある頭の理解を後押しして、その後の患者さんの理解や判断を伴う治療をスムーズに、やりやすくしてくれます。

 

はじめに「よろしくお願いします!」と言わせて、調子に載せてしまえばこっちのモノ、とは言いませんが、

一方的な「行動」を相手と共有する「体験」に変える、こちらからのポジティブな働きかけは、やってみる価値があると思うのです。

何よりもお互い今よりも少し楽しくなるのが魅力です。

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