「社会人基礎力」とは?
仕事をしていく上で重要となる基礎的な能力として、2006年から経済産業省が提唱している概念です。
先日、ある専門学校の『ビジネスマナー講座』の一コマで「社会人基礎力」の授業を担当しました。
就職を控えた学生にとっては、企業の人事担当者との"共通言語"を知ることは緊急課題になります。
授業では、「職場ではこういうことが求められているんだよ。」ということを伝えつつ、ダイアログなどを通して、スマートに言語化された概念を具体的にイメージし、今の自分が今の環境の中で準備できること=アクションプランを作り上げました。
「社会人基礎力」は次の3つの能力に定義されています。
? 前に踏み出す力
? 考え抜く力
? チームで働く力
参考: 経済産業省 「社会人基礎力」
さらに12の能力要素が示されていますが、「お互いの意見の違いや立場の違いを理解し、話をよく聴いて、他人を巻き込み物事を前に進めていく」など、日常の様々なシーンで経験したり、自然に発揮している能力です。
でも今改めて企業の採用基準や、企業研修のコンテンツに取り入れられているのはなぜでしょう。
仕事で失敗する理由は、仕事に対する知識やスキルではなく、人間関係が築けないことが原因の90%以上である。
(心理学者 アルフレッド・アドラー)
学校の授業でも、研修でも、お互いの関係性が温かみを持ってほぐれてくると、ひとり一人の表情が変わってくるのがわかります。
ワークの中で「もっと人に興味を持とうと思う」と言った生徒がいました。
「いいね。それで?」と突っ込んだら、
「気に入られる!」の無邪気な答えが帰ってきました(笑)
確かに。歯科医院の現場でも、仕事が成果につながっている人は、患者さんに気に入られているし、職場の人とも良い関係性を築いています。
相手に興味を持って、相手のことを知り、相手が嬉しいと思いうことを推測して行動できれば、学生の彼の目標「相手に気に入られる」も達成できそうです。
MITのダニエル・キム教授が提唱した組織の成功循環モデルに
関係の質→思考の質→行動の質→結果の質→(循環)があり、「関係の質」から着手することが肝要とされています。
関係性の質につながる個人の「社会人基礎力」は単純に「できている」「できていない」で評価できるものではありませんが、人材育成の目標とスタッフの成長の指針になるものだと思います。
参考: 経済産業省 「社会人基礎力」
MBD かがみ洋子
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