「転んでもただでは起きない」強い個人と強いチーム

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社会の変化と複雑性が増すなかで、従業員に対するメンタルヘルスへの配慮やサポートが必要だと言われています。

 

もちろん、そのような支援が職場において必要とされている現状も理解できます。

けれども私は、一人ひとりがプロフェッショナルとしての意識が求められる職場においては、個人への信頼に根差した相互支援の仕組みで、メンバーが「たくましく育つ」ことを目指しています。


スタッフが育つ過程の先にはプロとして、そして人間としての成長があります。

仕事を通して「自分の成長を楽しんでいる人」は、仕事でぶつかる壁や、課題、上司や同僚からの少々耳の痛いフィードバックも、自分の成長の糧にしようとするたくましさがあります。

スタッフがたくましく育っている現場では、

スタッフがチームの仲間から刺激を受けてやる気を出している。

さらには、いつの間にかメンバーの一人ひとりが「転んでもただでは起きない」

くらいたくましく成長しています。

 

例えば仕事上の課題、つまりうまくいっていないことをテーマとした場合をご紹介します。

スタッフにとっては耳の痛いことも、雰囲気を悪くしないで解決していく方法です。

 

課題の裏側には、それが課題だと考える問題意識や、上手くいっていないと感じている具体的な状況があるはずです。

まずは、その課題に紐付けされた「行動」と行動の「背景にある事情」を率直にメンバー間で共有します。

その際は、次のことがポイントになります。

 

チームメンバーの話を聴くときは、

背景にある事情や、

ネガティブに表現される言葉の裏側の感情も引き受けるつもりで、

問題が起こっている時の状況をイメージしながら聴きます。

周りが「支援を前提に聴く」姿勢を見せることで、「言い訳や責任逃れ」の状況説明から解放してあげることが大切です。

 

「その時に何が起こっていて」

「どういう気持ちになっていたのか」

 

「事実」と「感情」を分けることも大切ですが、感情を想像力が働くように機能させることが大切です。(「人は必ずしも合理的ではなく感情に支配されて動く」という心理学の概念によります。)

課題の背景にある「状況説明」に対しては、

 

「なるほど、そういう事情があったのか」と思えたり

「ふむふむ、それはむりもない・・・」と共感できたり

「あるあるそういうこと・・・」と自分にも思い当ることに気づいたり

「○○さんらしいわ・・・」とちょっと可笑しくなってしまったり

 

このように想像力を働かせることができたら、その人の立場に立って聴けているということです。

相手の立場になって聴くということは、課題を自分ごとにできるということですから、

次第にメンバーが自分の体験を振り返り、目の前の課題と紐づけして「他人ごと」ではない発言が生まれます。

 

「この課題は自分には関係ないと思っていたけれど、自分にもこんなことができる」

と、今まで課題の外側にいた(と思っていた)人が協力を申し出たり

 

「こういうアイディアはどう?」と提案があったり

 

課題に近い立場の人も

「こういう知識が足りていなかった」とか「こういう配慮が足りなかった」とか

客観的に自分を振り返って、

「(まずは)こういうことをしてみようと思う」

と、一歩を踏み出す具体的な行動を言葉にできる。

課題を人ごとにせず、自分で引き受けるトレーニングでもあります。


 

こうして、お互いに刺激を受けたり、励まされたりしながら、自分の中から生まれた今までとは違う次元のアイディアを言葉にして、実際に仕事の場面でやってみる。

それは、小さいけれど個人の仕事における挑戦です。

 

小さな挑戦の積み重ねが仕事上の経験となり、自信となり、振り返ってみると成長が実感できて、壁にぶつかったり、時に耳の痛いことに向き合うのも悪くないと思える。だからまた職場で安心して新しいことにも挑戦できる。

これが継続的な成長のサイクルです。

 

チームで、課題 → 挑戦 → 検証を繰り返し、みんなで目指すところは、自分たちが心から誇りに思える組織のビジョンです。


このようにスタッフの相互成長の機会を外部の立場でコーディネートし、ファシリテーションするのが成長支援を軸としたチーム研修です。

組織のニーズやスタッフの成長段階に応じて、テーマややり方を変えてご提案します。

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