MBD: 2019年3月アーカイブ

マナー研修というとマナーについて学び、それを現場で実践するというイメージがあると思いますが、MBDの研修では初めにマナーは学びません。

マナーのエッセンスは自然体の身体が知っている。

参考> 過去の記事:身体はマナーを知っている

http://medical-bd.com/dental_happy_community/2019/03/post-52.html


だから、表現としてのマナーは、人の身体を通して引き出すことができると考えています。

き出される場面は、本人にとって意味のある、大切なコミュニケーションの場面。

会社であれば、自分たちのビジョンに紐づいた顧客との接点を再現したロールプレイを通して引き出すことができます。

 

研修でロールプレイをする際に大切なポイントは「学び合い」という相互支援のマインドセットです。

お互いがお互いのアウトプットから学び、お互いがお互いをうまくいかせるように支援し合う「相互支援」は、

メンバー同士が仕事上でつながることを意図しています。

 

組織開発分野での研究で、メンバー間でつながりを持つ組織は生産性が高いと言われています。

参加者同士がフィードバックし合い、

講師からのアドバイスで表現を磨く学び合いのプロセスでは、

個人の表現で良いものがあれば、それを「私たちの表現」として共有することもできます。

その組織オリジナルの、つまり自分たちの顧客に合わせた「スタンダードマナー」です。

さらに詳細に言語化すれば「教育マニュアル」に、

エッセンスを抽出すれば「行動指針」が作成できます。

 

スタンダードマナーの根底にあるものは、「自分たちがどうありたいか」という問いの答えです。

その問いと行ったり来たりするのが日常の業務だとすれば、スタンダートマナーも絶対ではなく、

時には現実に揺さぶられ、変えることを強いられるかもしれません。

でも、メンバーの間で学び合いを通して仕事上でのつながりができていれば、

進化の方向で変わっていけるはずです。

 

人も組織も表現したい生きもの。

そしてその表現が価値を生む。

MBDの研修は、「自分たちはどうありたいか」という問いに寄り添い、

個人と組織の前向きな表現を支援するものでありたいと思います。

 


ビジネスで事態を進展させるのは言葉によるコミュニケーションです。

言語的なコミュニケーションの分野では、優れたフレームワークがたくさん存在しますが、

「何を言うか」に対して「誰が言うか」に人が付加価値を生む要素があるとしたら、影響力のあるメディアとしての身体の可能性を改めて見直したいものです。

過去の記事:プレゼンスマネジメント「佇まいの美しさ」 

http://medical-bd.com/dental_happy_community/2019/03/post-51.html

 

コミュにケーションにおける身体表現法として「マナー」という枠組みがあります。

 

マナーといえばハウツー本がたくさんあるように、知識として学ぶイメージがあると思いますが、

いま私たちがマナーに求めるのは知識としてのマナーではなく、

発信源である自分の内面と媒体である身体がどのようにつながっているかを表現する、

という一段深いレベルです。

マナー云々の前に、「目の前の相手とつながりたい」という切実な思いと、

その思いから生まれる純粋な表現を大切にしたいです。


明確なビジョンを軸にした能動的な行為には、その人ならでは輝きを放つオリジナルなやり方があるはずです。

オリジナルなやり方を洗練させるのに、マナーの知識は役立ちますが、

マナーの知識で身体をガチガチに固めてしまうのはもったいない。


自然体の身体は、その時々で、また相手によって表現を変えることができます。

人とかかわることをあきらめない限り、ふるまい方は進化する方向で変化し続けます。

自然体の身体は、もともとホスピタリティの性質を持っていて、マナーのエッセンスも心得ているのです。


「リラックスしていたほうが良い結果が出る」

オリンピック出場のスポーツ選手が、インタビューでこのように語っていました。

 

コミュニケーションにおいても同じことが言えると思います。

緊張しないほうがいい。

頭でわかっていても、私自身は初対面の場面で自分が緊張してしまい、鏡のように相手も緊張させてしまうことを自覚していました。

そうなると、自分の存在自体がコミュニケーションの入り口を阻害しているのではないかと思い悩みました。

自然体で瞬時に相手を包み込んでしまうような雰囲気を持っている人にはかなわない、

というコンプレックスがあったのです。