2011年5月アーカイブ

曾有の大惨事とそれに伴う様々な出来事に真摯に向き合い続けてきた数か月を経て、いつの間にか診療室を包む空気も以前より重くなっているかもしれません。

 

最近では、患者さんがリラックスして安心出来るように、設備や空間演出の工夫をされている医院様も多いと思います。

 

それでもやっぱり、一番安心するのはリアルな人間同士の関わり。今回の震災で、人と人との繋がりの深さや大切さに気付いた人も多いと聞きます。

 

患者さんは、疾患を抱え、治療に対する緊張感を持って来院します。迎える歯科医院の雰囲気が暗くては、患者さんの気持ちはますます沈んでしまいます。そのような状態では、たとえば治療後のメンテナンスに積極的に通うことや、予防などの前向きな行動には繋がりにくくなります。

 

 

予防や審美など、プラスアルファの治療価値を提供するこれからの歯科医院には、粛々と治療が行われる澄んだ静寂と、患者さんが自分の治療の未来に希望が持てるような明るさの両方が必要だと考えます。